「美しい100年の森プロジェクト・森づくり研修会2024」が開催されました (8/25)
2024年8月25日(日)、岩手町役場と一方井地区の山林をフィールドに、「美しい100年の森プロジェクト・森づくり研修会」を開催しました。
本研修会は、いわて町ラボ「美しい100年の森プロジェクト」のさらなる推進に向け、環境保全を行いながら次世代にも受け継がれる「自伐型林業」の手法を学び、岩手町の豊かな自然を後世に残すための研修会として、昨年に引き続き開催されました。
樹種特定のワークショップ
講師を務めたのは、宮城県南三陸町にある林業会社(株)佐久 企画研究課長の大渕香菜子さん。
当日は山林の所有者や林業経験者、森に興味がある方など、16人の参加者が町内外から出席。
初回となる今回は「森林の成り立ちと樹種についての勉強会」と題し、日本における植生や分布、地域の植生を見るうえでの多角的な視点について講義が行われました。午前中はグループに分かれ、植物図鑑と葉の標本を見比べ、樹種を特定するワークショップを実施。
サクラの葉の標本を観察。植物図鑑と見比べながら樹種の特定について話し合うワークショップ
大渕さん曰く、「現在は、スマートフォンのアプリ上でも樹種を特定することもありますが、自分の目で見て特徴を掴むことが大切」とのこと。
葉の標本を丹念に調べ、ノートに書き留める参加者。樹種ごとの特徴が微妙に異なることに気がつきました。
フィールドワークを実施
午後は、一方井地区の山林で演習を実施。
山の中に生えているクリやミズキ、ヒノキやホオノキなど、20種類以上の樹種を特定し、樹名板の設置を行いました。
フィールドで樹皮や葉の特徴について説明する大渕さん(中央右)
間伐材で作られた樹名板を、20種類以上の樹木などに設置
山の中で採取した葉の標本を見ながら、10種類の樹種を特定する樹木テストに挑戦。見分けるのがなかなか難しかったようです。
講義の中で大渕さんは「もちろん現場に出ることも大切だが、図鑑に触れることも大切にしてほしい。特定の樹種だけでなく前後の図鑑のページの種を目にすることができる。そして、自分で樹木を見て、感覚的に樹木の種類を意識して管理できるようになることが、いい山づくりにつながる」と話していました。
今回の研修では座学だけではなく実際にフィールドの中に入り、身近な植生の分類や、地域の森が生態系に与える影響などについて、参加者は興味を持って学びました。
また、樹種を特定する樹木テストも講義の最後に行われ、参加者は真剣に取り組んでいました。
次回の開催
次回は9月8日(日)、チェーンソーの体験会の開催を予定しています。
※定員に達したため、申し込みは現在終了しています。(2024/08/28)