岩手町SDGs未来都市共創プロジェクトでは、持続可能な岩手町を創りつづけるべく、さまざまなプロジェクトを行っています。そんな岩手町と通じるところがある、デンマークの自治体を取材しました。
自治体をあげてSDGsの達成に向けてプロジェクトを実施しているソレ市
デンマークにあるソレ市(Sorø)は、人口2.9万人、首都コペンハーゲンから西に電車で約1時間、車で約50分ほどの場所に位置する郊外の自治体です。コペンハーゲンが近いからこそ、ソレ市に住みながら都市であるコペンハーゲンに仕事や学業に通うことができるため、人口もこのままでは減ってしまうのではないかという危機感があるとのこと。
デンマークは、九州ほどの面積。そこに九州の半分ほどの約586万人が住んでいます。 引用:https://kids.nationalgeographic.com/geography/countries/article/denmark
そのような状況の中、2018年に市議会で4年間の戦略がJørgensen(ヨンゲルセン)市長の元で承認され、2019年から「Sorø Erhverv 」というビジネス関係の部署を新設しました。こうして、持続可能なソレ市の未来のために、SDGsを共通言語にプロジェクトがはじまったそうです。
市職員としてSorø Erhverv で活動する、LailaさんとNiklasさんにお話を伺いました。
Sorø Erhvervの取り組み①ソレ市内に元々あるSDGsの取り組みを整理
市内の中小企業を訪問し、SDGsの取り組みを一緒に行なっていくように協力を呼びかけているそう。1軒1軒訪問し、コミュニケーションシートを使って、その企業がどんなSDGsの取り組みをしているかを一緒に整理していくそうです。
企業によっては、忙しくて余裕がないからという理由で訪問を断られてしまうこともあるそうなのですが、「ソレ市内の多様なセクターと共にSDGsの取り組みをしていくことに意義がある」という考えのもと、何度か訪問の交渉を続ける、とおっしゃっていたことが印象的でした。
ソレ市では、SDGsの取り組みをしていない企業は入札ができないような仕組みを導入しているとのこと。「今、SDGsに取り組まなければ自治体も企業も淘汰されていってしまう」とおっしゃっている姿が印象的でした。
SDGsに取り組まなければ淘汰されてしまうとはどういうことでしょうか?
「顧客は持続可能な製品を購入したいと考えています。新入社員、特に高学歴の若い従業員は、持続的に働く企業でのみ働くでしょう。さらに、会社が資本を必要とする場合、銀行は『環境・経済・社会に配慮された持続可能なプロジェクト』にのみ融資を行います」
社会のニーズがそのような方向へ加速していっているので、自治体も企業も変わらなければならない。そんな強い想いを感じました。
Sorø Erhvervの取り組み②整理したSDGsの取り組みを可視化
訪問して整理したSDGsの取り組みを、webサイトや冊子の形にしてまとめ、可視化しているとのことでした。
Vækst via Videnプロジェクトホームページ(https://vaekstviaviden.com/)
そして、数年間のプロジェクトの集大成として、これまでの冊子に掲載した内容を整理しながら、製本したそう。
冊子をいただいたのですが、そこにはこちらの記事でインタビューの様子を紹介した校長先生の学校についても掲載されていました!
表紙タイトル「VORES VERDEN VORES MAL」は、「私たちの 世界 私たちの ゴール」という意味。
と、こうしてお話を伺っているうちに、岩手町SDGs未来都市共創プロジェクトと似ている部分があるように感じました。
岩手町SDGs未来都市共創プロジェクトでも、「岩手町に元々ある持続可能な取り組みを可視化したい」という想いのもと、2022年4月よりSDGs宣言制度を開始しました。また、x SDGs Tourではこれまで丸の内、さいたま市、豊島区にて岩手町のSDGsの取り組みをまとめたパネル展示を実施してきました。本WEBサイトでもプロジェクトの情報発信に努めています。
場所は違えど、目指す場所(持続可能なまち)が同じ…!世界は広く見えますが、一気に親近感が湧きました。
「岩手町にもソレ市と同様のプロジェクトを行っており、共にSDGsの達成を目指すパートナーを探しているのですが…!」と取材の最後に聞いてみました。
「次回はぜひ佐々木町長といらしてください。ソレ市の市長とぜひお会いしていただきたいです!」とのお言葉をいただきました。取材を受けていただき、ありがとうございました!次回訪問の際はソレ市内の実際のSDGsの取り組みの現場にお邪魔してみたいです!