この町の記憶を聞くなら町の喫茶やスナックへ
岩手町には、温かみのある小さなスナックや喫茶店がたくさんあります。そこには、みんなから愛される「まちのおかあさん」的なる存在がいて、この町の酸いも甘いも、色々な話を聞くことができます。岩手町のメインストリート、沼宮内の大町商店街で30年以上前からお店を構える「玉露」もその一つ。玉露のママの西田美紀子さんは、気軽に毎日この店に来て欲しい、という思いでほとんど休まずお店を営業されています。
かつて東京に遊びに行った時、夜にお客さんの予約が入ったからと、とんぼ返りして岩手町に戻ってきたなんて出来事もあったそう。西田さんとお話をしていると、この町の歴史や、人々のさまざまな物語を聞くことができます。
「昔は、よく町の若い衆が野球をしてからここにきて朝まで飲んで、また次の日野球に出かけていたもんよ」
「岩手町国際石彫シンポジウムが行われていた時は、毎晩いろんな国のアーティストやその家族がやってきて、本当に楽しかった」
と話はつきません。
玉露のバーカウンターには、名前入りのボトルがずらりと並んでいます。
玉露のほど近くにある喫茶「ペコ」も、一度行ったら、その居心地よのよさにまるで親戚の家にきた気持ちになってしまうような場所です。オーナーの澤口松子(さわぐちしょうこ)さんは、最近ハマっているパークゴルフの魅力を熱弁してくれたり、町の良さをいきいきと話してくれます。
丁寧に淹れられた、あたたかいコーヒーを飲みながらそんなおかあさんたちの話を聞いているとあっという間に時間が流れてしまいます。他にもまだまだディープで、あたたかいお店が岩手町にはたくさんあります。岩手町のローカルをもっと知りたい方は、ぜひ、この町で飲み歩いてどっぷりこの町に浸ってみてください。
喫茶「ぺこ」のオーナーの澤口松子さん