リビングラボ活動レポート

「美しい100年の森プロジェクト・木材搬出の体験会」が開催されました (9/29)

2024年9月29日(日)、「美しい100年の森プロジェクト・森づくり研修会」(3日目・木材搬出体験会)を開催しました。

 

本研修会は、いわて町ラボ「美しい100年の森プロジェクト」のさらなる推進に向け、環境保全を行いながら次世代にも受け継がれる「自伐型林業」の手法を学び、岩手町の豊かな自然を後世に残すための研修会として、昨年に引き続き開催されました。

過去記事(第1回)はコチラから

過去記事(第2回)はコチラから

 

 

講師について

講義では、小友木材店が行っているまちづくりのプロジェクトが紹介されました

講師を務めたのは、花巻市の林業会社「(株)小友木材店」に勤務し、山猫プロジェクトを担当している古川明洋さん。

普段は花巻おもちゃ美術館に勤務し、子どもたち向けに木のおもちゃなどを使って木のぬくもりに触れる空間を作っているそうです。

当日は町内外から13人が参加。

午前中はスライドを使った講義のあと、一方井地区の山林フィールドに出て、「山猫」と呼ばれる同社の電動小型木材運搬機の搬出作業を体験しました。

電動小型木材運搬機「山猫」

山猫を使って木材を搬出する実例を見学する参加者

山猫のような電動小型木材運搬機が開発された背景には、里山から伐木を行った後の搬出コストの課題があります。

大型機械が通るような作業道を作って里山を管理する場合、機械の購入費をはじめ、月々の維持管理費がかかります。

集材の搬出費用が、薪や材の売り上げよりも高く「里山を管理したくとも、費用面から山の管理に踏み切れない・管理できない」といった課題があります。また日本における未利用林地材(製材などに利用できない細い間伐材や木の根元、末木など。エネルギーとして活用可能)は年間2,000立方メートルといわれています。

「作業道を作らずとも、軽トラなどで運搬し輸送コストを下げ、今まで捨てられていた木材を有効活用できる」といった点で、山猫のような電動小型木材運搬機は、全国の自伐型林業グループから注目を集めているそうです。

※ひと昔までは人力や、馬搬(ばはん)といって、馬を使って木材を搬出していたそうですが、「木材を搬出する馬」の代わりとして山猫が活用されるイメージです。

丸太を運び出す技術を学ぶ

搬出体験

ポータブルウインチを使い、法面から樹木を引っ張り上げる作業を見学

作業道もなく、車が入れない林の中から切り出した丸太を山猫で運び出す作業

午後には、2つのグループに分かれ、①ロープウインチを使った搬出体験と、②山猫を使った木材の搬出体験を行いました。

参加者は切り出した木材はもちろん、山肌を傷つけないため方法や、重量のある木材を搬出する際の注意点についても作業を通じて学びました。

また、実際に山の中で作業する上で小型木材運搬機の活用方法や機能についても参加者は意見を交わしました。

樹種にもよりますが、直径20センチ・長さ3メートルのほどの丸太の重量は約80㌔ほど。運び出す際には、細心の注意を払うことが大切です。

「森の整備に関するイメージが深まった」との声

終了後には全3回の研修会を振り返り、アンケートを行いました。

【アンケート内容(抜粋)】

  • 初心者でも分かりやすい内容で、森の整備に関するイメージを掴むことができた。
  • 樹種の見分け方についての導入、普段手にすることのない運搬機の体験を通じて、森林により親しめるようになった。
  • 日常では体験できない林業のいろはを学べた。講義後の実習で、より理解が深まった。
  • 森づくりは、これから特に大切になる取り組みだと思う。多くの人が興味を持ってくれるように研修会やイベントを継続して開いてほしい。

 

アンケートでは、3回の研修を通じて、この100年の森プロジェクトに理解と興味を深めたという声が多く寄せられました。

また「もっと深く学びたい」「継続して研修会を開いてほしい」といった声も寄せられました。

参加された皆様にとって、さまざまな形で森との関わり方を考える機会となれば幸いです。

改めてご参加いただいた皆さん、この記事を読んで森づくりに興味を持っていただいた皆さんに感謝を申し上げます。

 

今後も森に親しめるような活動を計画しています

参加者募集中!親子デイキャンプ

本年度の研修会は終了しましたが、今年は森林環境活用の一環として10月27日(日)に初企画となる親子向けのデイキャンプを予定しております。

なにかとお忙しい時期ではありますが、ぜひご参加ください。お申し込みをお待ちしております。

参加はコチラから

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