岩手町での起業や事業拡大をしたい人に向けて、ビジネスを学び、その町民の挑戦を後押しするプログラム「志塾」。志塾は、ビジネスの基礎を学ぶ講義から、ビジネスモデルの構築、個人へのメンタリング(助言・指導)が提供される、これから起業に挑戦しようとしている人にぴったりのプログラムです。
町のビジネスが回れば、その町の持続可能性も高まる
岩手町は、町内の経済活動を発展させるために、起業やビジネスについて学ぶプログラム「志塾」を開催しています。岩手町で起業をしたい人から、現在の事業を拡大していきたい人、一緒に仕事をする仲間を見つけたい人など、さまざまな人を対象にプログラムを展開しています。その背景にあるのは、町内のビジネスを活性化させることで、町内の経済的な持続可能性を高めたいという思いです。
「志塾」でのビジネスモデル講義
起業を後押しする、志塾のプログラム
2022年度に開催した志塾では、ビジネスの基礎から具体的なビジネスプランの構築までを全13回に渡って段階的に学ぶ講義が行われました。ブランディングや広報・PRなどに関しては、外部からのゲストスピーカーを迎え、各テーマに関する講義を受けることも。
例えば、「商品やサービスのブランディング手法」「顧客に商品を伝えるWebサイトのつくり方」「イベントなどの『場』の設計」「投資家からの資金調達」といったテーマが扱われ、これからビジネスをはじめる人にとって本当に必要なことが学べる構成になっています。
講義終了後も、熱心な質疑のやりとりがつづく時も
多様なビジネスモデルに対応した個別のメンタリング(助言・指導)もあり、「取り組みたい事業や実現したいビジネスプランには具体的に何が必要なのか」といったことが相談できるのも魅力の一つです。また、プログラム自体が事業者同士の交流の場としても機能していて、岩手町で事業を共にするパートナーや、切磋琢磨し会える仲間が見つかることも期待できます。
地域課題をビジネスで解決する
志塾には、緑豊かな岩手町の山林の改善事業を起業したいという方、カイロプラクティックを岩手町で事業として展開したい方、食物アレルギー対応食に関する店舗業など、事業内容も参加動機もさまざまな参加者がいます。そんな多様なビジネスを扱う参加者に志塾が提供するのは、「自らのビジネスで、岩手町や周辺地域に貢献する方法・視点を育める環境」です。
例えば、カイロプラクティックを事業とする方は、1人でも多くの人の健康を守ることを理念に掲げていますが、その事業が発展することで岩手町の健康寿命が伸び、医療費の軽減につながるというインパクトまでも視野に入れているとのこと。
これは、人々が健康でいられるといううれしい側面はもちろんのこと、病気ではないものの心身が弱って介護が必要になりやすい、いわゆる「フレイル」状態への予防となり、町の社会保障費の削減にもつながることで、町の経済面の持続可能性向上が期待できます。
他にも、食物アレルギー特定原材料を使用しないことで「誰もが一緒に同じものを食べられる幸せ」を提供するという事業では、誰一人取り残さないという視点でSDGsの目標とも共鳴しています。
このように、個人が関心のあるビジネスと地域課題は連結させることが可能です。個人から生まれた事業が地域の課題解決につながり、それが健康福祉、経済などさまざまな側面で良いインパクトを起こしていくということ。住みやすい町をつくり、町外からも人が移り住むような環境にしていくには、こうした町民の事業とまちづくりを連携させ、持続させていくことが不可欠になってきます。この連携を実現するために、岩手町は学びの場として志塾プログラムを実施し、フューチャーセンターの設立が予定されている他、さまざまなスタートアップ・起業・創業を支援していきます。これらのさまざまな起業創業支援から生まれる岩手町の未来に、ぜひ注目してみてください。