循環型社会の実現にむけて、スマートトラベルをエスコートしたい
増設・減設・移設が可能な移動型宿泊施設「モビリタコート岩手」。この施設は、通常時の宿泊施設営業に加え、緊急時は災害拠点としての利活用など、しなやかに形を移ろわせる未来の町のあり方が見え隠れします。モビリタコートでは、どのような宿泊体験ができ、それはどのような未来へとつながっているのでしょうか?
モビリタコート滞在からひろがる岩手町
2022年10月にグランドオープンしたモビリタコート岩手は、岩手町の豊かな自然に囲まれた雄大な土地に、快適に滞在することのできる移動型滞在施設。海上輸送コンテナの規格で設計されたモジュールは、災害などの緊急時にはクレーンで吊り上げ、トラックで輸送することができます。
そんなモビリタコート岩手は、通常時には滞在施設として運営され、断熱性・遮音性・防音性・耐震性に優れた構造により、夏は涼しく冬は暖かい快適な空間です。
モビリタコート岩手のシングルユニット
部屋はL字型43㎡とシングルユニット27㎡の2タイプがあり、どちらの部屋も、キッチン、電子レンジ、大型冷蔵庫、独立型トイレとお風呂が完備。長期滞在にも適している仕様です。車があれば、北上川源泉の弓弭の泉に足を運んだり、石神の丘美術館での芸術観光、ホッケー場でのスポーツなど、岩手町の魅力を満喫できる宿泊施設でもあります。
スマートトラベルをエスコートする
株式会社クレバーラクーン代表 藤沼昇二郎さん
「循環型社会の実現にむけて、スマートトラベルをエスコートしたい」と語るのは、運営する株式会社クレバーラクーンの代表・藤沼昇二郎さん。情報通信技術を活用した非接触型宿泊施設であるモビリタコート岩手は、チェックインからチェックアウトまで、すべての工程をインターネット上で完結可能。この「非接触型」の施設のあり方は、パンデミックなどの有事にもPCR検査施設や隔離施設として利活用できます。
また、予約完了後のWebサイトでは、岩手町の周辺情報が紹介されるところも、利用者にとってうれしいポイント。岩手町のおいしい食事処や観光施設を事前に閲覧できるので、到着後の予定づくりもスムーズです。藤沼さんがモビリタコートを通して見ているのは、宿泊施設を基軸としたITプラットフォームのあり方なのです。
自然のなかに位置するモビリタコート岩手では、夜空を見上げるとこんな星空が
協働型まちづくりにむけて
単なる宿泊施設という機能だけではなく、増設・減設・移設が容易なことから、災害時などは(福祉)避難所・仮設住宅、そして災害支援拠点としても利活用できるのが、循環・協働型の社会を見据えるモビリタコート岩手の最大の強みでもあります。
大地震のときは約84万棟不足するというデータが出ている仮設住宅ですが、こうした移動型宿泊施設が日本中に点在していれば、宿泊施設として運営しつつ、緊急時には低コストで招集することで災害用宿泊拠点となり、事態が落ち着き次第離散する――という未来の住宅施設のあり方も実現できるかもしれません。地域を活性化させながら、災害回復力を強化するハイブリッドな施設の新しいモデルが、まさに岩手町からはじまろうとしているのです。
モビリタコート岩手
モビリタコート岩手
・住所:〒028-4304 岩手県岩手郡岩手町子抱第3地割2番地
・営業時間:受付: 09:00~18:00