リビングラボとは一体どんな取り組みなのか? ~町の未来づくりは皆さんが主役!~
SDGs未来都市共創プロジェクトの柱の1つである「リビングラボ」。
「リビングラボ(Living Lab)」は世界で使われている一般的な名称で、岩手町で開催しているリビングラボを「いわて町ラボ」と呼んでいます。
本記事では、「リビングラボとは」「いわて町ラボのこれまで」「いわて町ラボのこれから」を中心に、その全体像をお伝えします!
【リビングラボとは】
リビングラボは、まちづくりに活用できるメソッドの1つです。アメリカで生まれ、ヨーロッパ、特に北欧で発達しました。リビングラボを通して、住民主体でバックキャスティングで話し合いながら、行政、企業、大学、研究者などさまざまなステークホルダーも巻き込んで、実証実験を行い、共に試行錯誤をしながらまちづくりを進めていきます。
リビングラボは、近年、ヨーロッパから世界中に広まりつつあります。2006年に設立された国際的なリビングラボのネットワーク「ENoLL (European Network of Living Labs)」によると、ENoLLに登録されていて現在活動中のラボは、世界中に150以上あるとされています。
ENoLLの日本のカウンターパートでもある「FCAJ(一般社団法人Future Center Alliance Japan)」を中心に日本でも近年、各地で広がっています????
特徴の1つとして、「企画」「開発」「評価・テスト」「改善」といったすべての過程に多様なステークホルダーが参加することが挙げられます。
リビングラボはまさに、「岩手町SDGs未来都市”共創”プロジェクト」の肝となります!
【ワークショップやセミナーとの違いは?】
ワークショップは一般に、体験を伴う講習会のこと、セミナーは一方的に講師から講義を受け、質疑応答などが行われるイベントのことです。
では、リビングラボはこれらと一体何が違うのでしょうか?
「最終的にプロジェクトが立ち上がり、実際に実証実験を行うこと」が、ワークショップやセミナーと大きく違う部分です。
(引用)日野市リビングラボガイドブック(PDF)
【岩手町でリビングラボを始めるのはなぜ?】
リビングラボ実施により、さまざまな効果が期待できます。
その中でも、いわて町ラボでは下記の2つの目的を掲げています!
・SDGs人材(地域共創人材)の育成 ????♀️????♂️
→ まちをよりよくすることと、自己実現を高いレベルで融合させることができる人。地域内外の関係者と交流できる人。主体的に行動できる人。
つまり、「まちの将来を想いながら、自分の生活(日常生活/仕事etc…)の一部として、町の人、町の外から来た人に声をかけながら一緒によりよい未来を創ることができる人」をSDGs人材として想定しています。
・これからのまちづくりのための人的ネットワークの核を形成すること????????????????
→ SDGs人材が活躍すればするほど、自然と人のつながりができてきます。いわて町ラボでは、このネットワークづくりに重きを置いています。「まちづくりはひとづくり」と佐々木町長がよくおっしゃるように、このネットワークをまちづくりに活かしていきます。リビングラボを一過性で終わらせず、持続可能なものにしていく観点からも重要です。
「まちづくりとはひとづくり」であり、何より大切なことは、「町民みずから参加して取り組む主体的なまちづくり」です。リビングラボはそのきっかけを提供していくことになります。
【いわて町ラボの概要】
2020年度のいわて町ラボでは、各回前半に講師をお呼びしてセミナーを行い、後半にワークショップを行いました。
2020年度 いわて町ラボでは、岩手町役場職員の方が中心となって、グループの進行係(ファシリテーター)を務めました。
開催した写真だけ見ると、またワークショップをやって、一体何に繋がるんだ…という感じを受けますが…????
実は、このワークショップが「プロジェクトの立ち上げおよび実施」という目標に全て繋がっているのです!!
実証実験をして、試行錯誤を繰り返すことがリビングラボの特徴と考えると、2020年度のいわて町ラボは、まだまだ助走の部分でした。
2021年度にいよいよ複数のプロジェクトが立ち上がり、実際にプロジェクトメンバーで実施していきます!もちろん、実施して終わりではなく、ここから実施→改善→再実施..のプロセスを繰り返していきます!
【これまでのいわて町ラボ(2020年度)】
テーマは「農業×SDGs」「森林・ものづくり×SDGs」「健幸・スポーツ×SDGs」「地域エネルギー」の4つ。
各3回のワークショップ(地域エネルギーはプラス1回!)で、全13回行いました(下記画像オレンジ)。
他の自治体と比べた時に、岩手町に競争優位性があると考えた3つの分野をテーマとして設定しました????
まず足元の課題を洗い出し(第1回)、2030年のありたい姿を思い浮かべ(第2回)、最初に出した課題とありたい姿のギャップを埋めるためのアイデアを出しました(第3回)。
また、「地域エネルギー」については、他3ラボとは毛色の違う、インプット中心のラボとしました。エネルギー政策としてこれまで具体的な取り組みを進めてこなかった岩手町では、まず「エネルギーについて学ぶ」ことでプロジェクトにつなげていこう、と考えたためです。
※感染症の影響で延期等の措置をとったため、チラシ日付と実施日が異なる場合があります
【202o年度の主な成果】
いわて町ラボ実施により、町内外118人の人的ネットワークが形成されました。また、67個の実証事業の提案がありました????
各回で話し合われた具体的な内容はこちらから!〔順次リンクを追記していきます〕
→農業×SDGs 「課題の洗い出し」「2030年ありたい姿」「実現するためのアイデア」
→森林・ものづくり×SDGs「課題の洗い出し」「2030年ありたい姿」「実現するためのアイデア」
→健幸・スポーツ×SDGs「課題の洗い出し」「2030年ありたい姿」「実現するためのアイデア」
【これからのいわて町ラボ(2021年度)】
2020年度の3ラボでの67のプロジェクト提案をもとに、9〜12のプロジェクト(予定)を立ち上げ、プロジェクトごとにメンバーを固定し、実際に実証実験を行っていきます。
2020年度のラボに加え、「地域商社」、「女性活躍(仮称)」をテーマとしたいわて町ラボも動き出す予定です。
また、地域エネルギーラボは、持続可能なまちづくりのためにどのようなエネルギー活用が岩手町で可能なのか等を検討していきます。
【どのようにプロジェクトを立ち上げるのか】
2020年度に話し合われた各テーマそれぞれについての「岩手町の課題」「2030年にありたい岩手町の姿」「それを実現するためのアイデア」に基づいて、2021年4〜5月、いわて町ラボ事務局(構成メンバー:岩手町役場みらい創造課を中心に、農林課、健康福祉課、長寿介護課、社会教育課等の関係課を横断するチーム+2020年度いわて町ラボ監修の岩手町政策アドバイザー藤倉潤一郎氏)で協議し、2021年度に実施するプロジェクトを決定します。
実証実験に向けて2021年6月頃から動き出す予定です。
【プロジェクトメンバーの決定】
メンバーの決定もいわて町ラボ事務局が行います。ここで、いわて町ラボの目的の一つ、「人的ネットワークの核を形成すること」が効いてきます!昨年度広げた人的ネットワーク+その関係者などまでアプローチすることが可能になりました。幅広く、多様なプロジェクトメンバーを決定します。
1つのプロジェクトに対して、プロジェクトの責任者となる「プロジェクトマネージャー」、そしてメンバーとなる「町内関係者」「ステークホルダー」「一般消費者」などからなる6〜8人で構成されます。
2021年度のリビングラボの様子も、本ホームページで随時お知らせする予定です。お見逃しなく…!????